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「テイト、果物とかは好きか?」
「ん、別に嫌いじゃないけど?」
美味しい、と言わせてやろうと冷蔵庫からソレを取り出し用意する。
テーブルの上に置かれたのは2つのガラスで出来たカップ。
その1番底にはオレンジの果物、赤い果物が敷き詰められ、上には潰したクッキーにアイスが乗せられている。
自分用にはビターチョコのブラウンのそれを、
テイト用にはストロベリーのピンク色をしたそれを。
「凄い!これ、ハクレンの手作りか!?」
「まぁな」
瞳を輝かせて賛辞を述べる姿に、自然と顔が緩む。
テイトは「いただきます」と丁寧に述べると、ウキウキと楽しそうにスプーンを手にした。
サク、と銀色のさじがアイスをすくってテイトの唇へと流れていく。
「んー、甘くておいしい!ハクレン、俺こんなおいしいの食べた事ないっ!!」
「そんなに喜んでもらえると、作った甲斐があるな」
一口ごとに感想を述べる姿はとても愛らしい。
あんまり見つめ続けるのもどうかと思い、俺もテイトにならって食べることにした。
ほろ苦く、しかし果物の甘みを含んだ香りが口内に広がった。
冷たいソレは今日のあたたかい気候にとてもよく合う。
「・・・ハクレン、俺とお前の色が違うけど何で?」
「ん?あぁ、お前のはストロベリーで俺のはビターチョコにしたからな。甘い方が良かっただろ?」
「わざわざ2つも作ったのか!?・・・大変だっただろ?」
「たいしたことはない。・・・一口、食べてみるか?」
「えっ、良いの!?」
「・・・食べたそうな顔してたからな」
「うっ・・・じゃあ、遠慮なくv」
「言っとくが、そんなに甘くないからな?」
テイトは少々罰の悪そうな顔をしていたが、嬉しそうに俺のカップへスプーンを伸ばした。
さっきよりも少しなめらかになっていたそれはテイトの唇へと運ばれ、あとにはブラウンとピンクが混ざり合っていた。
「うまいか?」
「(コクコク)・・・でも、俺にはやっぱ少し苦い」
「テイトはお子様だからな」
「うるさい!・・・口直し〜。ん、やっぱ甘い方がおいしいv」
「・・・俺もそっち貰っても良いか?」
「ん、」
カップを差し出しながら、再び口にストロベリーアイスを放り込んだテイトの腕を掴んで、口内のピンク色のソレを奪った。
「・・・甘いな」
「・・・・・・・・・・!?//////」
名残惜しむようにテイトの口端についていたピンク色のソレを舐めとると
一瞬の出来事に瞳を大きく開いていたテイトの顔がみるみる赤く染まっていった。
あまりにも可愛らしい反応をする愛しい君に抑えが効くはずもなく・・・・
「ハクレン、アイスが・・・・」
2007/9/1