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歓声が聞こえてソチラを振り返れば
どうやら今日は誰かの誕生日らしい。
・・・・そういえば彼の誕生日はいつだろう?
ふと見れば一際目立つ小さな子供の姿。
「フラウ!」
そう呼ぶと彼はちらりとコチラに目を向けた。
「今日はあの子の誕生日みたいですね」
彼は興味なさ気に視線を向けた。
「貴方の誕生日はいつだったんですか?」
「・・・・そんなもん忘れた」
抑揚のない声で彼は答えるとスタスタと歩いていった。
―――そうして、あの子と出遭ってちょうど1年が過ぎた
「フラウ、誕生日おめでとうございます」
「誕生日・・・?」
「えぇ。忘れてたようなので勝手に作りましたv」
ニコニコと笑う私に彼は呆れたようにため息をついた。
「・・・・・なんで?」
「過去はどうであれ、貴方は今、私の子です。誕生日は親が子供に出会えてありがとうと感謝する日なんですよ?
私は1年前のこの日、貴方と出遭えてとても嬉しかったのです」
「・・・・・・」
「ありがとう、そしておめでとう。私の愛しい子」
そう言って私は彼を抱きしめた。
「・・・バッカじゃねーの」
「親バカですからv」
回した腕を解こうとはせず、彼はやんわりと受け止めていた。
2007/2/9